6.数字センスの身につけ方③
「体験する」「見る」の次は、「読む」です。
さて、ここで、数字が羅列されたデータ表や、それをもとに作られた決算書を
見ることで、理解できる人々もいます。
よっぽど熟練している方か、プロ的な職種についている人々でしょう。例えば
、私が企業研修している財閥系の不動産会社は、ほぼ全員が読めます。
しかし、このような人々はまれです。世間的には、少数です。ましてや社長を
している方は、上場している会社やこれから上場しようとしている会社の社長
は読めるでしょうが、基本的にはごく少数です。
「読む」だけで、経営を理解できる、と豪語している経営者は、実際にいます
。
現場に行かないで、数字を理解できると主張しているのです。
しかし、本人はそれでも、周りの人々や、情報を共有する社員は、同じ方法を
処理するスタイルでしょうか。
おそらく、「読む」だけで理解できるのは、そもそも現場を理解している人た
ちだけでしょう。
つまり、普通の社員には、伝わりにくいのです。
シュークリームの在庫があるとします。決算書にのっているシュークリームの
在庫の金額は、単価が小さいので、あまり多く感じません。
しかし、現場に行けば、食べきれないほど、売り切れないほどの「量」がある
ことに気づきます。
本社で「在庫の数」だけを聞いても、ピンと来ない場合があります。ピンと来
るのは、そもそも在庫の現場で在庫量を目で見た経験が豊富にあるとか、その
場に行ってカウントしたことのある人です。
現場に行って、見ないと、はっきり分からないのです。
こういう認知のズレが有ることを理解しないと、伝えること=数字センスを持
っているとは言われません。独りよがりとなり、社員と情報共有すること、思
いを共有することはできなくなります。
従来型の決算書セミナーは、この「読む」形式が多いです。
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